らんこっこ音楽堂♪

ヴォイストレーニングとカウンセリング

自分の声が表すこと

今日のブログは、stand.fmでの放送から文字起こしをして、修正加筆したものです。

音声でお聞きになりたい方は、最下部よりstand.fmへのリンクからどうぞ♪





昨年からほとんどTwitterでのツイートをしていませんでしたが、Twitter の方からお遠い合わせのDMを頂き、ある女性より手でお話を伺ってみました。

私のレッスンを受けたことのあるにおられる方たちのツイートを見ていたとか、レッスン生の方に直接レッスンに関してのお話を聞いてくださったことで、前々から気になっていたんだけれども今回、連絡してみましたということでした。新しい告知をしていないのに声をかけを頂いてとてもうれしく思いました。

 

今のようにTwitterがなかった頃はホームページから連絡を下さる方がほとんどでしたが、3年ぐらい前から申し込みたいな、と思って見ていました、というようなことを言っていた女性もいらして、パッと見つけてすぐ申し込む、というのができる方もいらっしゃると思うんですけど、その一歩が踏み出せないみたいなところがあるなって私も感じるところがあります。

 

初めて私のレッスンを受けに来る方には、どんなレッスンなんですか?と、もちろん聞かれるんですけれども、一番の目的としているのは自分の自然な声を思い出すことです。

私が一番大切にしている事です。

 

子供でも大人でも家庭内とか学校や職場で求められる役割やキャラクターって言うのがあると思います。運動部のキャプテンや営業のお仕事の方には溌溂さとか、 仕事内容や立場によって求められるものが違い、それに合わせて声を出すことになると思います。

 

それは、意識的にそうしてらっしゃる方もいるし、無意識のうちにそうなっちゃう人もおられる。いずれにしろ、立場と声がうまく噛み合ってる場合はそれでいいと思いますが、どこか自分の出してる声が自分の自分にしっくりこない、違和感がある方もたくさんおられます。

 

そして、自分の声が嫌いです、はっきりそのように思ってる人もおられますし、よくあるのが録音した時の自分の声がちょっと思ってたのと違って気持ち悪いというものですね。

声を聞く仕組みが、生で自分の骨を通して中から聞くのと、録音したもので外から聞こえるのとでは、全く違うので、どんな声の人でもそこに差が生まれてしまうので仕方がないんですけれども、録音で聞く声、それをすごく嫌だなって思ったり、また、生で喋っている自分の声も嫌だって言う方、両方おられますね。

 

嫌だとまで言わなくても、もうちょっとこういう声が良かったとか、あの人みたいな声が良かったとか。もっと高い声で喋りたいとか。

 

女性の声が低い場合に、職場で「もうちょっと高い声でしゃべったら」って言われた事があるって伺った時には驚きましたね。男性の場合は逆にちょっと声高くてやだとか。

 

声は自分の中から出てくるものだし、コミュニケーションツールとしても大事なもので、皆さんそれぞれいろんなことを感じておられるな、という感じがします。

 

私のレッスンでは、そう言った違和感を消していくことをしています。

歌う時でも喋る時でも声に対してそういうその違和感があるというのは、自分にフィットしない状態だということですね。私は、緑色や黄色の服を着ると、どうもピンと来ないと感じるんですけど、紺色やローズピンクなどの方が合うなと感じます。声に関しては、お洋服のように買って来て取り替えることはできないんですけれども、レッスンすれば、ちょっとのことで声は変わります。その変化は、もしかしたら他の人から聞いたらちょっとの違いで全然わからない場合もあるんですが、ご本人にとってはすごく大きな違いとして感じられる場合が多いです。基本的には自分の声を思い出して頂くということです。

 

今回、お申し込みくださった方は、好きな歌を使ってレッスンしましたが、歌わずにしゃべる声を中心にレッスンする方もおられます。歌を使ったレッスンのやり方としては、最初に一通り歌を歌って頂きます。それでその様子を聞かせて頂いてます。その間に私の方は、1つには発声、2つ目には音楽的な事、3つ目には歌詞の歌い方、大きく分けるとその三つを聞いています。

 

1つ目の発声というのは、その人の声になってるかどうかな、ということです。
その方とは、オンラインで初めてで、Twitterでもやり取りをしたことがありませんでしたので、本当に初めて接触するという形でした。そんな初めてオンラインで会って、その人の自然な声がどんな声なのかっていうのは分かるのか?って話もあるんですけど、どういうふうに行ったらいいかわかんないんですけど、声帯の周りの筋肉を締め過ぎ、舌の付け根に力が入っている、頬の筋肉の使い方がちょっと足りない、唇に力が入ってる、など、を聴いて言くので、それを取っていったら、もっとその人らしい声が聴けるはずだ、という感じです。

私はひどい運動音痴なので受けたことがありませんが、ゴルフやテニスの個人レッスンなどと同じような感じなのではないかな?と想像しています。

 

2つ目の音楽的な事っていうのは、単純なところでは、すごくせっかちな方はだんだんリズムが詰まっていきますし、のんびりタイプの方は伸びていきます。また、音を上げる時、下げる時ににどのように音を感じているか、そして身体をどう使っているか。

フレーズの歌い回しや、フレーズの最後の伸ばし方、どんな風に切っていくかとか。

それはチェック項目があるわけじゃないんですけれども、そういうことを同時に聴いていきます。

 

そして3つ目の歌詞ですが、歌詞をどのように捉えておられるか、子音や母音の発音の仕方、歌詞とメロディーをどのように合わせているか、など。

 

主にそのようなことを聴かせて頂きます。一通り歌って頂いたら、どこか一番効果が大きく現れそうなところから手をつけていきます。これは、大きな問題からということではなくて、鍵になる部分はここだな、ということを嗅覚で感知しているのだと思います。

 

人それぞれ、発声や歌い方にもちろん特徴があるわけです。

発声に絞って言えば、その方の今の声が表していることには大きく3つあって、

 

1つは身体的な特徴です。身体や顔の骨格、どのくらい筋肉や脂肪がついているか、肋骨の形や使い方、もともと耳が良いか、などです。
骨格はともかく、太ったり痩せたり、筋肉をトレーニングしたり、調整可能なこともあります。肋骨や横隔膜の動きも訓練によって変化させられる部分です。

 

2つ目は、心の面です。

どのような環境で育ったか、家庭や学校、職場などでの役割。

周りの人との人間関係、自分の話すことを充分に聴いてもらいながら育って来たか、あるいは周りの人にどのくらい気を使って育ってきたか、これは耳の良さとも関係している印象があります。今、現在、どんな心持ちで生きているか、これまでの人生の過程でどんな体験をしてきたか。

3つ目は、自分の苗字と名前の影響です。

例えば、浦島太郎と言う人は、子供の頃から「たろうちゃん」「たろうくん」「たろうさん」と呼ばれることが多いと思います。この呼ばれる時に聞くことになる始めの音「た」この「た行」は、子音の中でもはっきりしていて、正しさや正義感などが現れてきます。それに対して例えば「さ行」は爽やかさや清楚な漢字を受けると思います。

そして、「た」の母音は「あ」ですが、あいうえお、という5つの母音の中でもっとも明るい音になります。そうすると、人生の中でたくさん聞く可能性のある「た」という音の正義感や明るさ、と言った印象をこの浦島太郎さんは受けているということです。



植物を育てていると、寒かった時期や日当たりが悪かった時など、環境の変化が茎の太さや葉の色などに出て来ると思いますが、声の場合も同じことで、それぞれの方々が色々な環境に生まれて色々なストーリーを描きながら人生を歩んで来られ、その途中の声を私は聞かせて頂いてる、という感じです。ですからそこに良い悪いはなく、評価するものでもないと思っています。

 

だけども、何か今、自分の声がしっくり来ない、ということがあるとしたら、現在あるいは過去の自分の生きてきた中に、納得いかなかった瞬間がある。それは本当にささやかなことである場合もあるし、自分でもそれがストレスだと分からずに我慢していたなどということもあります。誰かに意地悪されてた、いじめられた、周りの人が自分の意見を聞いてくれなかった、とか逆に、一般的な意味では良い意味でのこだわりが声に影響していることもあって、私は明るい人でいようとか、私は礼儀正しい人であろうとか。

 

いずれにしろ、自分の心の奥底の望みと、こうでありたい、こうでありたくない、という行動へのこだわりがズレていたりすると、声の違和感、発声する時の違和感として出てくることは多いなと思います。



名前のことで言えば、呼ばれてきた音と自分の自然な個性があっていないとか、苗字などは多くの場合は生まれた家の家族とその親戚一同が名乗っていますので、同じ苗字の方々とのお付き合いにまつわる思い出などが心理的に影響している部分も大きいと感じます。

 

いずれにしても、なんらかの原因によって、心に引っ掛かりが出来て、それが声の違和感として上がって来ている。それを、原因は特定しなくても、逆から解放していくことが出来ます。つまり、声の違和感を取ることにより、心の引っ掛かりが取れて、もともとの原因になった出来事へのこだわりが消える(だろう)ということです。



ただ、声の中の引っ掛かり、つまり心のこだわりというのは、人を弾き付ける力があるので、歌を歌うすべての人がこれをなくす必要があるとは思っていなくて、ポピュラー曲をお仕事で歌う方などはそれを取らない方がいいと思っています。ですが仕事などではなく、生きていく中で違和感が声にあるという方は、声の引っ掛かりをレッスンで取っていく。

 

心のこだわりやツッパリ感、ひっかかり感が声に現れるから、声の側からそれを取っていくと、心のこだわりが取れていく。結果として、自分の身体の中心から声が出て、いわゆる肝が据わった状態になり、心が安定する。自由になり、自分の声の能力が自由に発揮されるので、音程が広がり、リズムがスムーズに扱える。力が抜けて脱力できて、うまく運ぶ。そのようなことが起こります。



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