らんこっこ音楽堂♪

ヴォイストレーニングとカウンセリング

人の時間を奪う?人に時間を与える?

先日のレッスンで、zoomの音声がうまくつながらず「大切なお時間をすみません」と
受講して下さった女性が大変、恐縮なさっていたのです。
この方は遅刻でもなく、通信に不具合があったというだけなのですが、時間と言うことについて考えさせられる出来事でした。

 

「音楽は時間の芸術」と言う言葉があります。
音楽だけでなく、どの世界でももちろん時間はとても大事で、特に近年、その重要性が高まっているのを感じます。

 

先のレッスン時に、その女性が私に時間を取らせてしまった、と、私に対して思いやりを持って下さり、実際、それを伝えて下さったことにとても感謝していますし、人として、お互いにそのような心遣いを持って、すべての人とお付き合い出来たらすてきだな、と思います。

 

 今日はそこから先にもう一歩、踏み出してみたいのですが。

「時間を無駄に取られた」と思うも「私は何も失っていない」と思うも、それは自分で自由に決められるのだよね、ということ。

 

私は、音楽のレッスンも人生も、リラックスしてやりたい、出来れば楽しく……と思っています。
30年、ヴォイストレーナーとしてレッスンをしてきましたが、「高い声が出ない」「大きな声が出ない」という方々の大きな原因は「緊張」です。

心理的な緊張と身体的な緊張、無自覚な場合が多いですが。

(これについてはまた別な機会に書きたいと思います。)

 

そんな訳でレッスンではとにかくリラックスして頂くのが、ご本人にも私にもとても大切なことです。リラックスしたところからレッスンを始めることをまずは目指しています。

 

楽しくレッスン出来る♪と思って来て下さった方にzoomがつながらないくらいで「早くして!」とか言うことはあり得ません(笑)
そんなことしたら、もうそっからヴォイストレーナーとして失敗してます。

 

だから、始めにご紹介した女性が「申し訳ない」と思って下さるのは、もちろんありがたく、同時に彼女の心の自由なのですが、私の立場からしたら、そこをむしろ一緒に楽しむ、そしてお互いにストレスのないように、出来るようにやる、ということ。

 

それは私のレッスンのポリシーやスタイルを大事にする、ということでもあるのです。
日々の細かな選択1つ1つが人生を作っている。そう思っています。