花のワルツを踊る幸せ🌸💗
今日、初めてお会いした女性がダンサーだったので、私が小さい頃に習っていたバレエの話をさせて頂いた。
私は幼稚園から小学生の間、モダンバレエ、クラシックバレエを習っていた。
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」や、サンサーンスの「動物の謝肉祭」などを発表会で踊った。
発表会は大好きだったし、練習の間も、すてきなオーケストラの演奏に合わせて身体を動かせることが、本当にうれしかった。
音楽を感じて、音楽と一緒に踊る。
しかも大好きなクラシック音楽。
大人になってから、発表会の写真が出て来たのだが、それを見て愕然とした。
自分の記憶と全く違うのだ。
私はあの素晴らしい音楽と一体となって、素晴らしく踊っていたつもりだった。先生と同じポーズが取れていると思っていた。
でも、写真には伸びていなければならないのに、曲がっている腕があった。
スーッと伸びているはずの膝も曲がっていた。
それを見て、しばらく……数日間、がっかりしていた。
でもその後、思った。
「人の幸せって心の中にあるものなんだな」と。
あの頃、小学生の私はバレエレッスンの時、鏡で自分の姿を見ていたと思うんだけど、認識力、客観性が低かったのだろう、自分のポーズがそんなにおかしいとはわからなかった。
誰それに比べて私は身体が硬いなぁ、とか、同じ学年で自分だけ下のクラスに残っているから、下手なんだなぁ、とはわかったけど、ポーズ自体のおかしさに気付いていなかったと思う。
でも、バレエレッスンの時はおおむね幸せだった。とにかく美しい音楽と共に踊れることが幸せだった。
だから、自分だけ下のクラスでも、「楽しいから続ける」と決めていた。
そして、自分だけ小さい子と一緒のクラスだったので、なんと主役になったのだ!
というか、一人だけ背が高かったから「くるみ割り人形」の「花のワルツ」でセンターでくるくる回る役になった。うれしかった。
これが、背の高さのせいだとしても、先生が気を使っていい役をくれたのだとしても、何でも良かった。
私が大きな花になってポーズを取り、その周りを小さなお花の子たちがひらひらと舞う。
しかも、曲はチャイコフスキー先生のターラーラーラッタラーーー花のワルツである。幸せだった。