らんこっこ音楽堂♪

ヴォイストレーニングとカウンセリング

こもった声を直さない方がいい時もある

児童合唱団の指導をしていた時

Nちゃんという、鼻にかかるこもった声の子がいた。

 

 

合唱団なので

一人一人発声をみる時間を作り

癖はなるべくとっていくのだが、

 

Nちゃんを含め、子供の声の癖は

取らない方がいいのでは?

と思った日があった。

 

 

Nちゃんは、両親と妹の4人家族。

お母さんは腰が低く、人に迷惑をかけちゃいけない、と

いつも周りとの調和を考えておられるような方。

 

伸び伸びした妹に比べて

Nちゃんは色んな場面で我慢を強いられているように感じた。

 

文句を言いたいけど、言えない…。

そんな気持ちが声になっているような…。

 

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そのNちゃんの声をまず開放する!

というやり方もあるのかも知れない。

 

気持ちを言うことが出来なくても

歌で発散すれば、あとから自分の気持ちを言えるようになる。

そういうこともあるだろう。

 

でも、Nちゃんは、彼女自身の考えで

家族や学校の中で自分なりのバランスを保とうとしていた。

 

私はそれを尊重したかった。

 

なので、しゃべり声と同じ高さの声はそのままに

それより、低い声と高い声を伸ばすようにトレーニングした。

 

これは、大人も同じなのかも知れない。

声によって何を守ろうとしているのか?

 

レッスン生の方と一緒に耳を澄まして

もう手放して良いよ、と

声が言うのなら、声を開放してゆく。

 

そんなレッスンをしています。

 

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